クリア感想:OMOCAT「OMORI」

感想(ネタバレなし)
一周目クリアまでの時間:30時間
最後までプレイして思ったのが「ゆめにっき」「MOTHER」、どちらも未プレイではあるもののこれらの流れを汲んだ作品という印象。他にも「UNDERTALE」みたいだなと途中までは思っていたものの、最後までプレイすると全く別物です。ドット絵のRPGなど彷彿とさせる要素もありますが、大元のテーマが全然違うので。
この作品にはいわゆる「ジャンプスケア」の演出が取り込まれているのですが、個人的には一点「ウッッッ!」となる場面があるのみで、多少耐性がある方なら問題無いレベルと思いました。ちなみに自分はクリアして2,3日は夜ひとりでトイレ行きたくなくなりました(笑)
良かった点
絵本のようなタッチのグラフィック、感情システムを使った戦闘、豊富なBGM、そしてとにかく謎めくストーリーが魅力で「早く先に進みたい!」と思わせる出来でした。途中ガラッと変わる展開、そして物語の核心部分が判明し、最後までプレイして良かったと思え、クリア後は考察やトリビア要素をネットで探して新たに発見する要素を調べるなど楽しめることができました。海外のwikiでは考察やトリビアの記述が豊富なので、気になった方は日本語でページ翻訳して読んでみるの推奨です。
(ひと手間だけで英語のサイトが日本語で読める文明に感謝)
最初はいきなりパーティーに入る三人の友人が紹介され「いきなり友達ヅラされても感情移入できないなあ」と不安だったのですが、最終的にはこの三人で良かったと思え、特に最年長のヒロがお気に入りになりました。
他にも探索面においてはパーティーは四人で更にリーダーシステムというものがあり、各キャラをリーダーにするとそれぞれの能力で探索面で活躍できる点・リーダー交代の際にイラスト(写真)が挿入され、見ていて微笑ましかったです。
惜しかった点
概ね他のプレイヤーのレビューと同意で、探索面はお世辞にも快適とは言いがたかったです。
通常戦闘は感情システムや畳みかけ攻撃で創意工夫がありそこは楽しめたのですが、中断確定のイベント戦闘が同じ演出の繰り返し(主に「〇〇〇」との戦い)でくどいなと感じたことがしばしば。
この繰り返しの演出は探索面でもしばしば見受けられたので、ちょっとやりすぎ?と疑問を覚えました。
どこでもファストトラベル機能はありません。広すぎるMAPに、お使いサブクエストを達成するにあたり「あそこってどこから行けばいいんだっけ・・・」と迷子になりまくりました。あらゆるゲームで迷子になりがちな方注意。
それとセーブデータが6つまでというのが一週目のプレイ中かなり不安でした。実際のところ、全エンディングを見るには(下の項目参照)だけで済むのですが、とにかくサブクエストが豊富なので少しでも取りこぼせば取り返しのつかない要素があるのではないかというのがプレイ中最大の懸念でした。
二週目でルート分岐地点からプレイするに当たり、序盤の数時間のセーブデータが必要なので、そこでセーブデータを取ってない場合は共通部分をやり直すことになります。
一週目はバニラで挑戦しましたが、正直に言うと途中から攻略サイトを頼り二週目はセーブデータを増やすMODを導入しました・・・。
(一応分岐前のセーブデータを奇跡的に残していたのですが、結局実績のために最初からやり直しましたが)
ちなみに自分はsteamのセールで1,000円を切っていたので購入したのですが、購入したあとにコンソール版で追加された要素がsteam版には追加されていないということを知りこれは非常にガッカリしました。追加エンディングがあるわけではないのですが、とあるキャラがお気に入りになった人、RPGとして気に入った方で難易度の高い戦闘イベントがもっと欲しくなるとコンソール版を買えば良かった、、、となる可能性があります。これは購入してから気づいたので地味に残念でした。
セーブデータが増やすことができるMODなど攻略面が大いに助かり度々セールも行われるPC版、追加部分も楽しめるコンソール版、購入前にはどちらかを吟味して購入するといいでしょう。
ちなみにクリア時間は一周目は迷子になってウロウロしてた&サブクエストも極力受けていたので30時間かかりました。実際にはセーブ&ロードをミスって数時間やり直したのもあるので40時間はかかってるかも・・・。
とにかくストーリーが気になる方向け攻略
二周で実績をフルコンしたいというわけでなければ、サブクエストのお使いはスルーで大丈夫です。
サブクエストのクリア状況によってエンディングに影響が出るのは避けたいと思い極力受けたクエストは最後まで完遂しましたが、本作でのサブクエストは武器・装備をゲットするものが多いので、そして多くの装備は使わないままクリアを迎えるので概ね無視で良いです。初期装備だと攻撃力が心許ないかもしれませんが、十分なレベリングが出来ていればたまたま入手したアイテムでもクリアできました。
まあ自分に関してはあまりにも広いマップに迷ってウロウロしてたら敵にエンカウントし勝手にレベルが上がったのもありますが・・・
最終的にはレベル40以上になったので難なくクリアできましたが、ボス戦闘では感情システムを理解して戦わなければきつい場面もあると思います。
ストーリーが気になって気になって仕方ない人はあまりのサブクエストの豊富さに「早く続きが気になるのに」とフラストレーションが溜まるかもしれないので、メインストーリーだけ追うという割り切りはアリだと思います。本編の補完となる重要なサブクエストもない(クリアしていたら「なるほどね」とニヤリとさせられるものもありますがとても細かい要素)ので、気にせず本編だけクリアでも大丈夫です。
とはいえ、重要な分岐がかなり序盤にあるのが難点です。実績は気にしないしできれば共通パートを省きたい方は取り返しのつかない要素だけは調べておくのが吉です。
取り返しのつかない要素1(分岐・エンディングに関係する部分のみ、序盤ややネタバレ)
・〇〇〇〇でケルがやってきたら出る前にセーブする
ここでセーブしておけば、あとでもうひとつのルートを楽しみたいときに共通パートを省略できて楽になります。
ちなみに、もう一つルートで見れるエンディングはグッドエンディングに繋がる方のルートで全て回収可能です。このルートだけでほとんどのストーリーの核心部分は理解できるので、もう一つのルートは「もしあの時・・・」なifルート的側面が見れる&RPG面のやりこみ要素(もうひとつのルートのみのダンジョンと高難易度バトル)があります。
・バジルの花壇に度々出向き、枯れていた花に水を与える
グッドエンディングの後、ちょっとしたシークエンスが追加されます。
(本当にちょっとしたシークエンスだったので、最初どこかで水やりし忘れたのかと思いました)
取り返しのつかない要素2(終盤ネタバレ)
・壊れたバイオリンを修復した後、舞台のような場所にあるバスケットでラスボス戦が始まる前にセーブする(サニールートのみ)
負け確定イベントがあるのですがそこでコンティニューしたらグッドエンド、コンティニューしなかったらバッドエンドになります。
(負け確定イベントの前に普通に負けてもコンティニュー画面が出ます)
ここで見れるバッドエンドは一見の価値ありなのでセーブ推奨です!
・現実世界でオーブリー、ケル、ヒロと一緒にバジルの家にお泊まりするときにセーブする(サニールートのみ)
お泊まりして一度目が覚めたら家に帰るor二度寝してから家に帰ると「引っ越しエンド」、家に帰ってキッチンでナイフを入手したら「ナイフエンド」になります。
引きこもりルートでもこの二種のエンディングは共通ですが、引きこもりルートではバジルの家に行く展開がないので二度寝した後のとあるシークエンスを見ることができません。
ネタバレ
サニールートと引きこもりルートの違いですが、前者はラスト一日は探索とイベント戦闘のみのストーリーの核心部分に比重を置いたルート、後者は高難易度戦闘・追加ダンジョンとRPGをやりこむことができるルートといった感じです。
この「RPGをやりこむ」という点が、サニーが空想の世界に逃げて自分の殻に引きこもっている感があって制作者の皮肉たっぷりなのがね・・・。
ちなみに「ウッッ!」となるジャンプスケアについてですが、後半に「ブラックスペース」というダンジョンに入るのですが、脳みそが肥大化したマリ(話しかけまくると脳みそでマリが潰れていく)が一番の「ウッッ!」ポイントでした。
それとリアルタッチの「ヘルマリ」は怖い思いをする人もいるかも。「夜トイレに行きたくなくなった」場面については、サニーが鏡に映ったときに背後に「なにか」が映る、引きこもりルート最終日で鏡にサニーじゃなく不気味な影が差しているオモリが映っている場面が恐怖でした。暗い場所に何かいる演出はマジ苦手です。
(ちなみにPC版限定ですが、自殺エンドをクリアするとOMORIが保存されているフォルダにとあるテキストファイルが追加されます。是非是非クリアしたら確認してみてください)
最初は気づかなかった(バジルの家に泊まった後起きたら二度寝せず一目散に家に帰ったため)のですが、引っ越しエンドのスタッフクレジットでサイレンが流れる音(=バジルが自殺した)が聞こえることを知って震えました・・・。
引っ越しエンドは「なにか」に取り憑かれたまま街を去るのですが、実を言えば「このサニーだいぶ精神つええな笑」と思ってしまいましたw
過去を乗り越えられず、親友も自殺、己の罪を抱えたままであれば自ら命を絶つエンディングの方が自然な気がしました。引っ越しエンディングでは特にサニーの葛藤を感じさせる演出がなかったせいかも。もしかしたら引っ越し先でやっぱり罪の意識に耐えられず自殺する可能性もあるのかもしれないけど、それを示唆する演出もなかったので。
というか、姉のマリが亡くなった家に数年ひきこもり続けたのもだいぶ精神強くね?と思ってしまった・・・。
姉の幽霊出そうで怖くない?食事を取るときとか一階に降りる度にフラッシュバックとかしない?(もしかしたら母親がサニーの部屋まで食事を運んでいたのかもしれないけど)とか考えてしまいました・・・。
どうでもいいけど、あの家事故物件になるよね。
バジルの件ですが、「なんでバジルは全然出てこないのにこんなに存在を強調されているんだ?」(オープニングド忘れ)と思っていました。クリアした後は「あーこれは重要キャラすぎましたわ」と納得。
オープニングで「ずっと一緒にいて」と言ったにもかかわらずサニーは即引きこもり、ヘッドスペースではいなくなってしまい、途中仲間の記憶からも消えてしまい、極めつけにブラックスペースではとにかく殺されてしまうバジルが不憫すぎました。
なぜバジルが殺されまくるのかというと、知り得ないはずの現実世界での思い出を語るからという説になるほどと思わされました。
バジルはサニーがマリを殺したことを知ってる唯一のキャラクターなので、現実を思い起こさせる彼を遠ざけたいという無意識な心理がそうさせたのかな。
バジルと言えばコンソールのみで追加された要素としてオモリとバジルの2人のみでボスラッシュ、オーブリー&ケル&ヒロと対決、マリと対決できる高難易度バトルが追加されます。
バジルと戦える&リーダー交代のイベントはここでしか見られないので、バジルを好きになった人はsteam版買って涙目になるかも。
ネタバレ込みでの惜しかった点について、ヘッドスペースと現実世界はもうちょっと深くリンクしているかと思ったのですが、スペースボーイやスイートハートはキャラこそ立っているものの、現実世界では中ボスに据えられるほどの存在だったか?みたいな。
現実世界に登場する子ども達がもとになったキャラがヘッドスペースにも出てくるのですが特にシナリオに深く関与することもなく。重要と言える中ボスは最終日のハンフリー、引きこもりルートのアビーくらいでしょうか。この2キャラ&もう1キャラ(?)はヘッドスペース創造前からいるらしいので。アビーについては掘り下げがなくどういう経緯で創造されたのかも分からずじまい。
現実世界のあと3日パートでクエストを受けていないと2日目、1日目と連動するクエストが発生しないのも思わぬ誤算でした!
クエストをクリアしていると最後の病室でお見舞いの花が増える&実績解除なのでこれを知らなかった実績コンプ厨涙目不可避。
コンソール版で追加された要素について更に言えば、ヒロがトチ狂ってオモリ達と戦闘するおふざけイベント(対ヒロ社長戦)なるものがあるみたいです(笑)OMORIでヒロが一番好きになったのでこれを見られなかったのはかなり惜しいかも。
とは言えもう一度クリアするためにコンソール版を買い直すには周回が地獄過ぎる。
不具合
steam版(一周目MODなしバニラ)、サニールートのブラックスペース経由のブラックスペース2で砂嵐やノイズが発生するダンジョンで、多分うちだけで発生したバグだと思われますが(攻略サイトでは綺麗なスクショだったので)同じ症状の方がいたら共有。
プレイ続行不可・頭痛や吐き気が起きるレベルでかなりノイズや画面の乱れが激しくなる場面があり、メニュー画面を開く→閉じると一旦落ち着きますが本当に一旦レベルです。
探索を続けるために何度もメニュー画面を開くのは怠いし、「刺す」を選択して扉が消えてしまったら嫌だったのでここをやるためだけに最後のセーブ地点からやり直したら同じ症状は発生しませんでした。
steamの公式バグ報告フォーラムに投稿しようと思ったのですが、"OMORI PATCH V1.0.8 is live! This is our final patch for PC/Mac!"(OMORI PATCH V1.0.8 がリリースされました! これは PC/Mac 向けの最後のパッチです!)とこれ以上のバージョンアップはしないと明言されていること、バグ報告フォーラムで公式の返信は長らくされていないようなのでこちらにて共有します。(動画も控えているのですがかなり気分が悪くなってしまうので画像のみ貼り付けます)


あとコンソール版ではバジルとのボスラッシュ戦で日本語版だとやる気開放がバグで出来ないそうです(一旦言語を英語に変更するとできるそう)。これは有名なバグで長らく修正されていないようなので、steam版にコンソール追加要素がアップデートされない点も含めちょっと残念ですね・・・。
手描きMADとかコミカライズとか
最後までストーリーが丸裸な手描きMADがあるのですが、なとりさんの「overdose」がこんなにOMORIにシンクロするのか。。。と、初見では涙がホロリ。是非グッドエンディングをクリアしてから見て欲しいです。ネタバレ全開なので仕方ないものの、再生数のケタが一個足りなくない?と不満なほど最高な作品です。
記事作成時点でコミカライズ第一巻発売済み・第一話と第四話が無料公開されています。絵がとても上手い。四話のスペースボーイイケメンすぎワロタ。